あがり症は病院に行くべき?行くなら何科?

人前でスピーチをしなければいけない時や会議などでプレゼンをしなければいけない時に、不安になったり緊張してしまうという人は多いと思います。程度の差はありますが、人前に出ると緊張するのはとても自然なことです。全く緊張しないという人の方が、珍しいかもしれません。
しかし、その緊張の程度が極端にひどく、人前に出ると異常な汗をかいてしまったり、顔が真っ赤になるといった症状が出る人もいます。動悸が激しくなったり、震えが止まらないといった症状が現れる場合もあります。自分でコントロールすることは出来ず、日常生活に支障をきたしてしまうことも少なくありません。それがあがり症と言われるものなのですが、これまでは性格的なものなので病院に行って治療をしようと考える人はほとんどいませんでした。日本では現在でも、病気や疾患と認知している人はあまり多くないと言われています。
ただし最近ではインターネットの情報などによって、自分ももしかしたら病気なのかもしれないと考える人が増えています。テレビ番組などで取り上げられることもあり、認知度は高くなってきています。それに伴い、病院を受診する人も増えてきました。
あがり症は医学的には、社交不安障害と呼ばれるものです。社交不安障害とは、他者に見られているような場面で極度の不安や恐れを感じ、自分が否定されているような気持ちになる精神疾患のことをいいます。人の体は不安感や恐怖感を抱くと、ノルアドレナリンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の分泌量が多くなります。ノルアドレナリンは、交感神経という自律神経を刺激する作用があります。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は主に活動している時に働くもので副交感神経や睡眠時などリラックスしている状態の時に働きます。ノルアドレナリンが大量に分泌されることによって交感神経が活発化し、心拍数や体温などが上昇して血圧も高い状態になります。そのため動悸や発汗、震えといった身体的な症状が引き起こされるのです。顔が赤くなったり汗をかいているといった症状を周りの人に気付かれることを恐れ、ますます緊張が高まるといった悪循環に陥ってしまいます。
あがり症は持って生まれた性格ではありませんが、内気で真面目な性格の人はあがり症になりやすいとされています。内気な人は繊細で感受性が強いので、人前で失敗したくないといった意識や人前恥をかくことを恐れる心理が働くからです。完璧主義者で責任感が強いといった人もあがり症になりやすい傾向があります。幼少期にはあまり見られませんが、自我が芽生えて自意識が過剰になる思春期の頃に症状が現れる人が多くなります。
あがり症は、病院などで適切な治療を受けることによって症状が改善する場合も少なくありません。特に極度の緊張が原因で日常生活に支障が出ている場合には、病院などで治療を受けることが望ましいとされています。人前で発表したりプレゼンなどを行うのが嫌で学校や仕事に行けなくなってしまうといった人も多く、引きこもりの原因にもなっています。引きこもりの期間が長く続くと、克服するのは困難になるので、早めに対処することが重要です。
あがり症で病院を受診する際には、心療内科や精神科を受診するのが一般的です。心療内科や精神科は、様々な心の問題、厳密にいえば脳の異常を扱っている診療科になります。精神科は主に心の問題そのものを診療する科で診療内科は心理的な要因によって身体に現れる症状を対象としている科ですが、その境界ははっきりしていません。心療内科及び精神科と掲げているクリニックもあります。
あがり症の治療方法には、大きく分けて心理療法と薬物療法があります。心理療法はカウンセリングによって治療を行うもので、どうして不安になったり緊張してしまうのかという原因を探り、症状をコントロールする術を学ぶといった治療方法になります。心理療法には、認知行動療法といった方法も用いられています。薬物療法には、緊張や不安を取り除く薬や動悸・震えを抑える働きのある薬、脳内の神経系に働きかけて緊張を和らげる抗うつ剤などが用いられます。心理療法と薬物療法のどちらか一方だけではなく、両方を並行して行っていくことが多くあります。
あがり症には、緊張が持続する「全般型」と特定の場面に限って緊張する「場面限局型」の2種類があります。「全般型」の場合には、職場や学校などで常に緊張を感じている状態が続きます。精神的な疲労が大きいので、うつ病になってしまうこともあります。ですから「全般型」の場合には、対人面全般に対する治療が必要になります。それに対して「場面限局型」の場合には、人前で何かをしなければいけない場面に限って症状が現れます。それ以外の場面ではリラックスしているので、特定の状況の時だけどうやって症状を緩和するのかを考えて治療を行っていくことになります。

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