あがり症に効く漢方薬はあるの?

あがり症は赤面症や対人恐怖症とも呼ばれます。

人前で話すのが苦手だったり、人が注目する中で文字を書こうとすると妙に意識してしまったり、そういった経験を持つ方は少なくはないでしょう。ただ、吐き気や動悸・息苦しさ・排尿障害を起こすなど日常生活に支障をきたすようになると、病気として考えられるため、医師への診察を受けた方がよいでしょう。

「あがり症」というように、緊張状態にあることを「あがる」と言いますが、本当に上がるのです。血液中のノルアドレナリンの値が上昇します。ノルアドレナリンというのは脳の青班核にあるノルアドレナリン神経から分泌される覚醒や興奮に関係する神経伝達物質です。緊張や不安を感じるときには活発に分泌されており、交感神経が活性化されるのです。そうすると心拍数や体温・血液も上昇します。その結果、動悸・発汗・震えといった症状が起こるという仕組みです。

これは人間だけに見られる現象ではありません。動物も、緊張状態にあるとき、すなわち敵と対面したときや餌を捉えるというときなど臨戦態勢に入ったときにノルアドレナリン値が上昇し、交感神経も活性化します。毛を逆立てている状態です。

餌を捉えるということはなくとも、人間にだって日常生活の中に緊張する場面というのはたくさんあります。そんなときにあがるのは体のしくみでありしょうがないのですが、あがり症の人は交感神経が人よりも敏感で、心拍数の上昇や顔面紅潮・発汗といった反応が強く出すぎてしまいます。心拍数が上がるとは言っても命に関わるようなレベルではありませんが、あがりを繰り返すことで社会生活を起こることができなくなり引きこもりになってしまうケースも。危険な病気ではあるのです。

あがり症は生まれつきの性格が関係しているだけではありません。ちょっとした失敗体験をキッカケに、その後は人前でまったく話せなくなる場合もあるのです。
太陽の光を浴びるようにしてセロトニンを増やしたり、楽しいことや好きなことをしてリラックスする時間を作ってドーパミンを増やすといった治療法もあります。会議などで人前で話す場面のシュミレーションを何度も繰り返し自分に自信を付けてから本番に臨むといった方法もあります。西洋医学であれば安定剤としてワイパックス・抗うつ剤としてルボックスなどが処方されるでしょう。実は漢方薬での治療というのもあるのです。

漢方においては強い不安・あがり症を「気逆」が原因と考えています。気が詰まってしまっているのです。緊張すると喉が詰まるような感じがするのもこのためです。
「半夏厚朴湯」などが処方されることになるでしょうが、これは気の流れを良くして詰まりを改善するための漢方薬なのです。「半夏」も「厚朴」も喉のつかえ感や吐き気をおさえる他、咳もしずめてくれるため喘息や気管支炎の薬として処方されることもあります。自然の草木からとった生薬の組み合わせでできているため依存性も少なく副作用の心配もありません。服用を続ける中で落ち着いていくでしょう。まだ症状が軽い段階で服用を始めれば半年から1年ほどで症状が改善されます。極度のあがり症の方だと2年から3年もかかってしまう場合があるため、できるだけ早めに来院した方がおすすめです。元々、メンタル面が弱く緊張しやすいという性格の方であれば、大きな失敗をして重症化する前にお守り代わりに利用しておいた方がよいでしょう。服用を続けていれば治らない病気ではないのです。

その他にもあがり症に効く漢方薬というのはさまざまあります。
たとえば、桂加竜骨牡蠣湯は神経の高ぶりを改善してくれるものです。体力が衰えてしまっている人向きのもので、神経質になった心を安定させてくれます。

女性の更年期障害などに用いられることが多いのが甘麦大棗湯です。興奮状態を鎮めてくれるのです。体力の弱い人に向く漢方です。体力のある方なら柴胡加竜骨牡蠣湯の方がおすすめです。ストレスが解消され不眠の改善にもつながります。

常にストレスなどにより心身の緊張状態が続いており気持ちが落ち着かないという方には柴胡桂枝乾姜湯があります。ホルモンバランスを整えて血の巡りを良くすることで心を落ち着かせるのであれば加味逍遥散があります。

同じあがり症と言っても人それぞれ原因や症状・体質が異なるため合う生薬や配合量というのは違ってくるのです。市販薬を買ってくるのもいいですが、できれば専門の病院で薬剤師さんに処方してもらう方がおすすめです。漢方も保険の適用はあります。そのため数ヶ月に渡って服用を続けなければならないですが、経済的負担が重くのしかかってくることもないはずです。

ストレス社会と言われる現代、緊張を強いられる場面と言うのはさまざまあります。そんな中、無理を続けているとうつ病を発症したり引きこもりになったりといった危険性もあります。それよりは漢方の力も借りながら乗り切りましょう。

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