あがり症って遺伝してしまうの?

あがり症は、専門的には緊張症などと呼ばれています。人前で何をするにしても緊張してしまい、一人でいる時の力を出すことができない症状のことです。結論から述べると、あがり症は遺伝する確率がないとは言えない症状であると言えます。あがり症に関しては、医学的な観点からも遺伝の影響がある派閥とない派閥が現状でも争っている状況です。脳内物質の関連性を加味すれば、遺伝的にあがり症になりやすい人がいるのも事実ですので、否定することは難しいと判断されています。ただ、遺伝的に子に対して継承されたとしてもそれを治療することができないわけではありません。緊張をするかしないかは元々個体差が大きく、不安やストレスを生まれつき感じやすい人がいます。では、なぜ生まれつき不安や緊張を感じやすい人とそうではない人がいるのでしょうか。これには、セロトニンという脳内物質が関連しています。人間は、不安や緊張を感じている時にセロトニンという脳内物質によってこれらのマイナス要素を除去しようとする働きを持っています。セロトニンが日ごろから十分に分泌されており、不安や緊張を和らげる身体状態になっている人はあがり症になりにくいわけです。そして、こうしたセロトニンを運搬する特殊な遺伝子が確認されています。医学的にかつ遺伝的な観点から、このセロトニンを運搬する遺伝子の状況によって生まれつきあがり症になりやすいのかそうではないのかをある程度は判断できると考えられているわけです。セロトニンを運搬する遺伝子には、セロトニンを効率的に運搬するための遺伝的な情報が詳細に書かれています。遺伝子の型は一つではなく、両親の型によって様々な方が存在し、中には不安を感じやすくしてしまう方も存在することが確認されています。実は、日本人はこのセロトニンを運ぶ遺伝子が先天的に不安定である可能性が高いことが指摘されているのです。これは、日本国内だけではなく他国からも指摘されています。日本人は、セロトニンに関して不安型の遺伝子を持っていると解釈されているため、他の人種と比較して実は人前で緊張したり不安になったりする機会が多いわけです。そのため、あがり症だからといっても落ち込む必要はありませんし自分を責める必要もありません。日本人は体質的に元々そのようになっているのです。反対に、生物学的に海外のラテン系の人々は不安に強い遺伝子を持っていると考えられえています。人種の発展は地域ごとによって異なりますので、遺伝的に性質が異なっていくことは仕方が無い事だと言えます。これは数字で顕著に表れています。こうした遺伝子型には3つの型があると考えられており、それぞれリラックスしやすい型と普通の型、それに緊張や不安を感じやすい型に分かれています。これらの内、日本人が先天的にリラックスしやすい型に属している全体のパーセンテージはわずか1%から2%しか存在しません。最も多いのが、不安や緊張を感じやすい型であり、全体の7割に及んでいることがわかります。このように、数字上も日本人が先天的に不安や緊張の影響を受けやすいということがわかります。では、生まれついたこうした性質を見極める方法はないのでしょうか。実は、簡単な方法があります。それは、過去にさかのぼって生まれてすぐのその人の行動を確認することです。海外の研究では、あがり症になる人とならない人の見分け方としてたった2種類の方法で分別が可能であると発表している有名なデータがあります。生まれて2歳から3歳程度までに、その子供が自分の知らないところに行きたがるか、それとも知らないところには極力避けたがるかのどちらかで判別が可能であると判断しています。不安に強い人は、子供の時に既に自分から知らないところに行く傾向が非常に強く、逆に不安に弱い人は見知らぬ場所への進行をなるべく回避する傾向が出ているのです。そのため、非常に小さい子供のころからこうした二つの傾向を見極めておくことで、その子がどちらに属しているのかを簡単に見極めることができます。では、あがり症を後から改善することはできないのでしょうか。実は、これもそれほど難しい事ではありません。これは自力でも病院でもどちらでも可能です。結局、不安や緊張を角に感じてしまうのはセロトニンがきちんと運搬されずに役目を果たしてくれていないからに他なりません。ですから、セロトニンの働きを活発化させれば自然と不安や緊張感を和らげることができるようになります。具体的には、自律神経を鍛えていくことが大切です。自律神経には交感神経と副交感神経という二つの神経が存在しており、このうち副交感神経を刺激するとセロトニンが効率的に働くことが分かっています。副交感神経は、リラックスした状態などに刺激されることが多く、適度な運動や趣味に時間を使うことで自然と活性化されます。一方で、病院で治療をする場合には不安や緊張を感じさせる物質をコントロールする薬が提供されています。これを利用することであがり症を改善することができるでしょう。