あがり症にアルコールって効果ある?

「あがり症」とは、簡単に言えば「人前に出る状況で極度な緊張、ストレスを感じる状態」です。たとえば、会社でプレゼンを行う場に立った時に緊張して上手く話すことができなくなってしまったり、会議で意見を述べなければいけない状況で上手に話すことができなくなってしまったりします。定例ミーティングのような「話さなくとも良い状況」なら問題ありませんが、重要なプレゼン時であれば大きな問題です。

多くの人は、あがり症とまでは言わないまでも「人前に立つ」ということに一定のストレスを感じます。「恥ずかしい」という理由でストレスを感じる人もいれば、「受け手がどのような印象を持つのか」が気になってストレスを感じる人もいます。細かな理由には個人差がありますが、いずれにしても「得意」だと感じている人は一握りです。

人前に立つことを得意だと感じている人は、あがり症とは無縁です。一般的には敬遠される場においても、むしろ積極的に人前に立つことを望むような性格であれば何の問題もありません。後は、話す技術を磨けば非常に優れたプレゼンタ―になる可能性を秘めています。しかし、むしろ「苦手」だと感じている人の方が優れたプレゼンターになる可能性が高いのも事実です。人によって向き不向きはあるにしても、「伝える」ということに対していかに真摯に向き合えるのかが重要です。

生まれながらにして人前に立つことが得意な人は、労せずとも周囲からの注目を集めることができます。これはすでに「才能」と言わざるを得ないものですが、それはあくまでも「注目されることに対してストレスを感じない」という特徴を持っているに過ぎません。たとえば、テレビの第一線で活躍するアイドルなどは、何もしなくとも注目を浴びる素質を持っていれば非常に有利です。しかし、実力が伴わなければすぐに飽きられてしまいます。

これは、日常のさまざまなシーンにおいても同様です。注目を集めることが得意な人は、特に意識することなく人から多くの注目を集めることができます。しかし、注目を集めるだけでは何事も成すことができないということを認識することが必要です。注目を集める能力は非常に稀有な存在ですが、その上で自分の主張を理解して共感してもらうことができなければ何の意味もありません。

これには、お笑い芸人など「言葉」を武器にしている人達のような技術を身に付けることが必要です。言葉、間合い、表情、動きなどの「おおよそ相手に伝える手段のすべて」を駆使して必要な情報を必要なだけ伝えられることが肝心です。そのためには、常日頃から訓練を行って多くの状況に対応できる能力を鍛えておく必要があります。しかし、一般的にこういったトレーニングをしている人はあまりいません。

テレビやラジオなどで注目を集める必要がある人は当然ですが、それ以外では「企業のプレゼンを行う機会が多い人」は能力強化に余念がありません。なぜなら、その能力を鍛えることこそが自身の存在意義を高める方法だからです。要は、「仕事」としてその能力の必要性を感じられるかどうかという話で、人前に立つ機会が少ない人にとってはまったく必要性を感じない能力です。

ただし、誰しもが人前に立たざるを得ない機会に遭遇する可能性があります。会社でプレゼンをする機会が一生訪れない人もいますが、そういう人でも上司や部下に対して自分の意見を伝えなければいけない状況にも遭遇しないという可能性はまずありません。「意見を伝えるか伝えないか」という選択において「伝えない」という判断をし続けた場合は機会すら訪れない可能性もありますが、それでは会社の中で隅っこに追いやられてしまい兼ねません。

仕事上の機会にはおおよそ無理な話ですが、せめて無礼講な環境であれば「アルコールの力を借りる」という方法で対策しようとする人も少なくありません。

たしかに、アルコールを摂取することであがり症の症状が和らぐ可能性はあります。これは、アルコールの作用によって神経が麻痺し、素面の状況では強く作用する交感神経からの刺激が少なく済むことが関係しています。一時的にでも交感神経の働きを鈍らせることができれば緊張が少なく済むため、人前に立つ場でも思うような立ち居振る舞いができるようになる可能性が期待できます。

ただ、アルコールを摂取し過ぎると逆効果になってしまうので、適度な量を心掛けることが大切です。よくある話としては、「結婚式のスピーチ」に対して緊張してしまうがためにアルコールをたくさん飲むというものがあります。酔うことで緊張せずにスピーチができるようにはなるものの、通常の思考ができなくなってしまう程度まで酔った場合にはスピーチ自体の質が低下する恐れがあります。

「緊張を緩和する」という目的でアルコールを摂取するというよりも、「アルコールを摂取することで緊張に負けなくなる」という目的で摂取した方が賢明です。

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