あがり症で人としゃべるときに顔が赤くなるのを防ぐには?

あがり症と自覚している人の場合、特に緊張が高まった時などに全身ががカーッと熱くなり、みるみる顔が赤くなるのが自分でもわかるほどの赤面症でもあるケースがほとんどです。大事なプレゼンを行う際や取引先の人に失礼の無いよう対応しなくてはならない場面などで顔が赤くなり、それを意識してよけいに平常心を無くしてしまっては、思わぬ失敗のリスクを高めてしまいかねません。傍から見ているぶんには、素直で可愛らしい反応にも見え個性の一つといった見方にもなりますが、当人にとっては重大な悩みとなっており対人の場面で緊張する機会の多い職種に就いている人にとっては、業務に差し障りが起こりかねない重大な症状と言えます。
あがり症は正式な病名ではないとされていますが、対人の場面で極度の緊張から強い不安や恐怖心まで抱いてしまい、日常生活に支障をきたすような状態はSADとも呼ばれる社交不安障害と診断され、あがり症もそれに含まれるという考え方もあります。赤面症のほうは対人恐怖症の症状の一つで正式には赤面恐怖症と呼ばれていますが、単に恥ずかしさで顔が赤くなるだけではなく、赤面するかもしれないという恐怖心からよけいに心理的負担がかかってしまう状態と言われます。あがり症で顔が赤くなることで深く悩んでいる人の場合むしろ病気と意識してきちんと向き合い「人前であがって顔が赤くなるだけで気にし過ぎ」と軽視する周囲の声に耳を貸さないくらいの気持ちが必要と言えます。周囲の人は、あがり症の人を励まそうと助言する気持ちで軽く見るような態度をしてしまいがちですが、悩みの深さは当人しかわからないものだけに、安易に症状を軽視するような発言は控えた方が良いと考えられます。
緊張する場面であがってしまい顔が赤くなることに悩んでいても医療機関を受診するほど症状が深刻でないと自覚している場合は、まず自力での対処を試みます。あがり症の症状が出ている時、体内では神経伝達物質ノルアドレナリンが血液中に多量に分泌されており、自律神経のうち緊張や活発な活動を担う交感神経を活性化させています。そのため心拍数や体温、血圧が急上昇してしまい、動悸や発汗、震え、赤面などの症状が引き起こされます。一連の流れは人体の正常な活動で、あがり症の人は交感神経が他の人より敏感であることから、その症状が起こりやすくなります。この「交感神経のせい」というのを意識して、あがってしまったと自覚した際、交感神経をなだめる気持ちで深呼吸を繰り返すと良いと言われます。特に、息をゆっくり吐くことを意識すると気持ちをリラックスに導きやすくなります。
深呼吸程度では顔が赤くなるのを止められず、あがり症も含めて根本から治して行きたいと考えている場合、メンタルクリニック等を受診して治療を受けるほうが、改善に向けて大きく歩みを進めることができます。あがり症と言っても当人が深く悩み、大事な場面で失敗を繰り返すなど精神的なショックが積み重なると、うつやパニック障害といった深刻な病状に進んでしまいかねません。あがり症で顔が赤くなるのをどうにかしたいといった段階で対処を始めたほうが、緊張して大事な場面で失敗しやすいという性格的な悩みをも改善して行ける可能性も高められます。
極度のあがり症で顔が赤くなるという症状を速やかに改善したい場合は、抗不安薬や抗うつ薬を処方してもらうという方法がありますが、効き目が強いぶん副作用の心配もある種類が少なくないだけに、結婚式のスピーチなど絶対に失敗できない時にのみ服用するほうが良いとも言われます。いずれも医師や薬剤師とよく相談の上、指示を守って服用するべき薬で、常用し続けると薬が無いと不安になるといった依存性も高める心配があるとされます。長期的な投薬治療で改善を図っていきたい場合は、副作用が少ない漢方薬を処方してもらうという方法もあります。漢方治療は即効性はありませんが、体質改善の方向から症状を緩和させて行きますので身体のためにも良いと言えます。あがり症に良いとされる漢方薬は、緊張による震えにも処方される抑肝散や、動悸を抑えると言われる半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蠣湯などが挙げられますが、いずれも体質に合った種類を処方してもらうことが肝心です。
以前はそれほどあがり症ではなく、最近になってそれほど緊張した場面ではないのに顔がほてって汗が吹き出したり少し動いただけで動悸や息切れが起こり、震えの症状まで出るようになったという人は、急にあがり症になったのではなく甲状腺機能亢進症を発症している心配があります。動悸息切れはなくても、極度のあがり症で顔が赤くなるほか、緊張で手足が震えてしまうという場合も、脳や神経に異常が無いかどうか確認してもらうためにもメンタルクリニックより神経内科のほうを先に受診したほうが良い場合もあります。検査をした上で重大な病気が見つからなければ一安心で、あがり症克服に専念することができます。一人で悩み続けて堂々巡りするよりも、一歩踏み出して解決策を模索するほうが気持ちを軽くすることにも繋げられます。